ブリタが植樹をする理由とは

2023年 グリーンプロジェクト活動報告

2007年から継続して行う育林活動「富士山の森再生プロジェクト」。本プロジェクトは、「水を通じた環境保全への貢献」を目指す「ブリタ グリーンプロジェクト」の一環として実施しています。
自然環境において「山を守り、森を育てる」ということは、「水を守り、生活を守る」こと。

一方で、ブリタには、「水の飲み方を持続可能な方法に変えていく」というビジョンがあります。本プロジェクトはこのビジョンのもとに、BRITA Japan・消費者のみなさま・NPO法人どんぐりの会の三者が、豊かな森づくり、水づくりを目指し、共に取り組んでいるものです。


そもそも山に木がないとどうなる?

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森林は、地球温暖化防止、国土の保全、水源かん養などに有効だと言われています。今回は、その中の水源かん養機能についてみていきましょう。

水資源の貯留機能

森林土壌は小さな隙間がたくさんあり、スポンジのようになっています。森林に降った雨は、その隙間で蓄えられ、その後ゆっくり時間をかけて河川へ送り出されます。森林土壌には、水を貯める機能が備わっているのです。森林土壌は、雨水を浸透させる能力(浸透能)が草地の2倍、裸地の3倍とされています。森林があることで土壌が変わり、それが水に影響するのです。

洪水の緩和機能

雨がゆっくりと流れていくということは、降雨量が多い場合でも一気に河川流量が増えないというメリットがあります。それはすなわち、洪水を緩和する力があるという事。但し、治水上問題となるような大規模の洪水では効果はあまりなく、中小規模の洪水の場合に効果を発揮するといわれています。

水質の浄化機能

雨水を森林土壌に浸透させゆっくりと流れていくことには、もうひとつメリットがあります。土壌を流れていく間に、リンや窒素などは土壌中に残り、土壌中のミネラル成分などがバランスよく溶け出し、おいしい水を作り出すのです。
 

このように、山に木がないと、森林土壌は増えず、山は水源かん養機能を失い、様々な弊害が起こることがわかります。


参考:農林水産省 林野庁 ウェブサイト

富士山の森の状態は?

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日本の山林部では野生のシカによる樹皮剝がし被害が多発しており、それは富士山麓も同様です。

シカは、草が無くなる秋冬に、樹皮や落ち葉を食べるのですが、樹皮が剥がされてしまうと、木は枯れてしまいます。植樹をする場合も、この樹皮剥ぎから苗木を守らなければなりません。

約4年ぶりの再開!ブリタクラブ会員さまとの活動が実現


今回、ブリタクラブ会員さまに参加していただくのは2019年以来、4年ぶりになりました。ブリタクラブ会員さまとブリタ社員、そしてプロジェクトをずっと一緒に取り組んでいるNPO法人どんぐりの会、総勢34名で2023年4月8日土曜日に実施しました。


前日、雨が降っていたので天候を心配していましたが、当日は快晴に恵まれ、晴れ渡った富士山の一合目あたりで、植樹を行ないました。

今年、植樹した苗の樹種は、ブナ、ホオ、ミズナラといった広葉樹。2.5mから3m程度の苗木を約100本植樹をしました。植えた苗木をシカによる樹皮剥ぎから守るための「幹巻き」を行ない、完了です。


久しぶりに訪れたこの地には、うれしい兆しも。以前植えた苗木が成長していたのです。私たちの活動がしっかりと、未来を作っています。

長い時間をかけておいしい水を作ってくれる森林。私たちが出来ることはその森林を守り、未来を作ること。また、消費者であるブリタクラブ会員のみなさまと共に、このプロジェクトを再び開催できる日がきたこともうれしく思います。

今回は、これまでの成果も見ることができ、確かな手ごたえを感じ、帰路につきました。