スープ作家 有賀薫さんの「スープの方程式」

料理は楽しいけれど、献立を考えるのは大変だと感じている方も多いのではないでしょうか?そんな方の助けになるスープづくりのアプローチをスープ作家 有賀薫さんから教えていただきました。今回は、お話を伺うだけではなく、ブリタクラブ会員の皆さまをお招きして実際に料理教室を開催し、実践で学びました。


スープの方程式とは

「スープの方程式」とは、10年以上毎朝スープを作り続けてきた有賀さんのメソッド。

具材×だし×オイル×調味料=スープという考え方です。その掛け合わせは無限で、さまざまなスープを作ることができます。それは裏を返せば、冷蔵庫にあるもので掛け合わせてスープを作ることができるということなんです。わかりやすく、味噌汁を例にとってみましょう。
 

-とうふと長ねぎの味噌汁-

  • 具材1 タンパク質 : とうふ

  • 具材2 野菜 : 長ねぎ

  • 出汁 : こんぶ

  • オイル : なし

  • 調味料 : 味噌

味噌汁は、オイル(油分)なしで作られていますね。オイルはなくてもスープは作れるのですが、オイルを加えることによって、スープに国籍を与えるポイントになるんだそう。確かに、ごま油の風味がすると、中華料理っぽさを感じますね。

では、次は冷蔵庫の中から探してみましょう。冷蔵庫には卵とトマトがありました。どんなスープが考えられるでしょうか?

  • 具材1 タンパク質 : 卵

  • 具材2 野菜 : トマト

  • 出汁 : 鶏ガラスープ

  • オイル : ごま油

  • 調味料 : 塩


さあ、中華風のトマたまスープの完成です。

こんな風に考えていくのが有賀さん流「スープの方程式」なのです。このメソッドを今回リアルイベントでブリタクラブ会員の皆さんと一緒に学びました。

キッチンスタジオにずらっと並んだ食材。カテゴリーごとに並んでいます。今回は、ブリタクラブ会員のみなさんにこの中から食材を選んでもらい、有賀さんに調理してもらいました。

さあ、ここにある食材を使ってオリジナルスープを考えましょう! その声と共に料理教室がスタートしました。

参加いただいたみなさんは、チームに分かれ、どんな食材を使ったスープにしようか?を相談。 食材が決まると、有賀さんが相性の良いテイストをアドバイスしてくれます。 メニューが決まると、4品の調理時間を考慮しながら、有賀さんが一気に料理を進めていきます!

メニュー決めや、調理中、いろんな場面で役立つアイデアがいっぱい! 「〇〇と●●は相性が抜群ですね」「旨味が多いきのこと相性がいいのは…」などなど、みなさんのノートにはメモがぎっしりでした。それでは、出来上がったスープのレシピを見ていきましょう。


「具だくさんブロッコリーチキンのくたくたスープ」

▼材料(3〜4人分)

  • ブロッコリー 1/2個
  • しめじ 1/2パック
  • プチトマト 5~6個
  • 鶏もも肉 100g
  • にんにく 1片
  • トマトジュース 200mL
  • バター 20g
  • 塩 小さじ1
  • ブリタの水 600~700mL
作りかた

ステップ1:

ブロッコリーは茎も房も細かく刻む。トマトは半割にする。にんにくはつぶす。鶏もも肉は小さく切る。

ステップ2:

鍋に、1とそのほかの材料を全て鍋に入れ、中火にかける。煮立ったら火を弱め、30~40分、ブロッコリーの房がほろほろに崩れるまで煮込む。途中、あまり水が減るようなら水を少し足しても良い。

ステップ3:

味を確認して塩でととのえる。

このスープはブロッコリーをくたくたに煮ることがポイント!全ての材料を鍋でコトコト煮るだけ。今回はバターでコクをプラスしましたが、オリーブオイルも相性抜群。 辛味が欲しければ輪切りの唐辛子を煮込む時に入れてもいいですね。


「秋鮭ときのこの気まぐれスープ」

▼材料(2〜3人分)

  • 生鮭 2切れ
  • 好みのきのこ(しめじ、えのき、まいたけ) 合わせて200g
  • しょうが 1片
  • 昆布 5cmほど
  • 塩 小さじ2/3
  • 醤油 小さじ1~2
  • ブリタの水 600mL
作りかた

ステップ1:

きのこはいしづきをとって、手で割くか食べやすく切る。生鮭は塩(分量外)を薄くふって5〜10分置き、出た水をペーパーでふきとる。

ステップ2:

鍋にきのこ、しょうがの薄切りを入れ、水または酒を大さじ1加えてふたをし、中火にかける。2~3分でしんなりしてくるので、水600mLを加えて煮立てる。塩小さじ1/2と醤油小さじ1を加え、味を見て醤油でととのえる。

ステップ3:

鮭をグリルまたは薄く油をひいたフライパンで焼き、2の鍋に入れる。好みで七味をふる。

秋の味覚を楽しむ一品。きのこを少しの水で蒸すように火を通すのがポイント!秋鮭をひと手間かけてソテーしたので風味が増しました。さっぱりスダチを絞ったり、小口ねぎをたっぷりトッピングして一層おいしくなります!


「ベーコンとじゃがいものミルクスープ」

▼材料(2人分)

  • じゃがいも2個
    (男爵やきたあかりなど煮崩れやすい品種が向いています)
  • 長ねぎ1/2本
  • ベーコン 60g
  • 牛乳 100mL
  • 塩 小さじ2/3
  • 胡椒 少々
  • バター 10g
  • ブリタの水 500mL
作りかた

ステップ1:

長ねぎはみじん切りにする。じゃがいもは皮をむき、半分にしてから1㎝ほどの厚さに切る。ベーコンは細かく刻む。

ステップ2:

鍋にバターを入れて中火にかけ、長ねぎを入れて焦げないように炒める。しんなりしたら、じゃがいもとベーコン、水500mLを加えて煮立てる。火を弱め、10~15分、じゃがいもがやわらかくなるまで煮込む。

ステップ3:

牛乳と塩を加えて味を見て、塩、胡椒で味をととのえる。

朝食にもぴったりなスープ。洋風のスープですが、実は長ネギが入っているのです。長ネギとジャガイモの相性が良いことを認識。長ネギをソテーしたあとに小麦粉を混ぜればクリームスープに大変身。


「簡単コロコロ団子の味噌スープ」

▼材料 2人分

  • 小松菜 1/2~2/3束
  • 鶏ももひき肉 100g
  • 味噌 大さじ2と1/2
  • 砂糖 小さじ1
  • ごま油 少量
  • ブリタの水 500mL
作りかた

ステップ1:

小松菜は洗って根元を落とし、4cmほどのざく切りにする。
鍋に小松菜の茎を入れる。鶏ひき肉を小さじ1ずつすくい、お団子状にしながらくっつかないようにして小松菜の上にのせていく。

ステップ2:

ブリタの水を加え、ふたをして中火にかけ、3分ほど蒸し煮する。ひき肉の色がかわったら、残りの水と小松菜の葉も加えて、5〜6分煮込む。

ステップ3:

味噌と砂糖を加えて溶き、ごま油をふる。

この肉団子、ひき肉をスプーンですくってポトッと落としただけ!出汁と合わせる味噌汁とは違い、砂糖とごま油で整えた味が新鮮。味噌と砂糖が出会うと、少し中華に寄せられるんです。根菜で作る場合は少し煮込む時間を長めに。
 

1時間半ほどの時間で、あっという間に4品が完成。みんなで実食しました。

どのスープも絶品で、即興で考案したレシピだということを忘れそうになります。参加者のみなさまからは「ブリタで水を浄水して、たんぱく質1品と野菜1品でのスープ、手軽なので早速メニューに取り入れてます」「材料の組み合わせ方、薬味の使い方、調味料の使い方、ちょっとしたコツ、工夫に驚きました。新しい発見ばかりの料理教室でした。」とのうれしいお言葉も。

とても楽しい時間を過ごすことができた料理教室になりました。参加してくださったブリタクラブ会員のみなさま、有賀薫さん、本当にありがとうございました!

みなさんもぜひ、ブリタの水で「スープの方程式」を試してみてくださいね。


レシピ提供:有賀 薫 スープ作家

約10年間3500日以上、毎朝作り続けたスープを土台に、シンプルで作りやすいスープのレシピと暮らしの考え方を各種メディアで発信中。雑誌・ウェブメディアの連載多数。著書に『スープ・レッスン1.2』(プレジデント社)、『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス・2020年レシピ本大賞入賞)、『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)など。

2023年11月29日『私のおいしい味噌汁』が発売。